元日本経済産業新聞記者である大手筆、樫原弘志氏が尾道市の現状について記事を書かれました。
猫の多いまち尾道で活動するNPO法人西日本アニマルアシスト(NAA)は、過剰繁殖による猫の健康や地域への悪影響を防ぐため町内会などと連携して不妊去勢に取り組んでいますが、2024年度の実績は812匹でした。手術後、地域でしっかり猫を管理することを重視していて、その実績は広島県内では群を抜いていて、県が用意する700匹分の補助事業のうち3分の2をNAAが占めるに至っています。
ただし、悩みのタネは、どんな病気を持っているかわからない野良猫たちの手術を引き受けてくれる獣医師を確保することです。開業獣医師は嫌がるようです。NAAはクリニックを運営していますが、地元で手術を引き受けてくれる獣医師は1人。シーズンになると1日で数十頭もの手術をこなすのが難しく、このような手術を専門とする獣医師の応援を頼まざるを得ないことがあります。
広島県の地域猫事業は県獣医師会に運営を委託しているため、獣医師会が担当獣医師を決めますので、獣医師会に加入している地元の獣医師しか指定されません。
遠くから招く獣医師たちは非居住者として県獣医師会への入会が認められず、指定された獣医師の手伝いという形でやりくりします。

しかし、そもそも県の補助は猫と地域のためであって、獣医師のためにあるわけではありません。窓口が獣医師会にしかないのなら獣医師会に所属しない獣医師でも指定できるよう広島県は獣医師会に確認を求めるなり、それが無理なら県動物愛護センターが受け付つなり制度を利用する際のルールを具体的に、明確にしておく必要がありそうです。きっとトラブルを招くに違いありません。
動物愛護行政について調べていくとき、いつも感じるのは行政のこの部門はいやいや仕事をしている(そこで働くのが不本意だと思っている) 職員が多いのか、自分たちでできることを外の組織やボランティアに丸投げしてしまいがちだということです。予算だけ確保してややこしいことは外部に任せきりにするようでは、市民の善意につけ込んだ「やりがい搾取」になりかねない危険があります。
記事を見た方はぜひ拡散をしていただき、尾道市の現状、そして私たちの活動についてより多くの方へ認知していただきたいと考えています。
どうかよろしくお願いします。